座長としてすごかった唐沢寿明と二宮和也

──竹内さんが主役ではない時に、座長を務めた俳優さんですごいと思った方はいますか?

「ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』(2016年)でご一緒した唐沢寿明さんと、全く違うタイプですが『ブラックペアン』(2018年)の二宮和也さんです。撮影外でのコミュニケーションがいかに大切かを実感しました。唐沢さんは“ご飯行こうぜ!”と気さくに皆を誘い、自然体でいられる雰囲気を作ってくださる。一方、二宮さんはご自身がとてもナチュラルでニュートラルな方なので、自然と周りもリラックスできるんです。
 そうした経験を通して思うのは、一つの作品において、演者は皆が主役であるべきだということです。登場人物それぞれに物語があるからこそ、作品は面白くなる。
 本来、互いへの思いやりとリスペクトを根底に持ちながら、皆が作品というルールの中で自由に演じられれば、きっとすごいものが生まれるはずです。でも、実際の現場では気を遣い過ぎてしまうことが多い。演技に集中すべき時に、過剰な気遣いで緊張してしまうくらいなら、それは必要ないのかもしれないと最近は感じています」

──竹内さんご自身は子供の頃にサッカーをされていましたが、スポーツの世界というのは上下関係がすごく厳しいのではないかと思うのですが。

「そうなんです。だから、最初は僕も苦しんだんですよ。普段は“おはようございます、先輩!”という感じですけど、いざホイッスルが鳴ったらその関係を一切無くす。それが出来る人が上に行けるんですよ。僕ははき違えてグランドにも上下関係を持ち込んでいたんです。失敗したら先輩に怒られたくないからとか。要らない概念なんですよね」

 現在32歳。失敗を恐れず、今この瞬間を生き、常に自身を更新し続ける。竹内涼真のしなやかな挑戦は、まだ始まったばかりだ。彼の次なるステージに期待が高まる。

竹内涼真(たけうち・りょうま)
1993年4月26日、東京都生まれ。2013年、女性ファッション誌『mina』初の男性モデルオーディションでグランプリを獲得。2014年10月、テレビ朝日系特撮『仮面ライダードライブ』で主演を務め、注目を集める。主な出演作は、ドラマ『下町ロケット』(14年、TBS系)、『時をかける少女』(16年、日本テレビ系)、NHK連続テレビ小説ひよっこ』(17年)、『過保護のカホコ』(17年、日本テレビ系)、『陸王』(17年、TBS系)、『君と世界が終わる日に』シリーズ(21~23年、日本テレビ系×Hulu)、『六本木クラス』(22年、テレビ朝日系)、映画『青空エール』(16年)、『センセイ君主』(18年)、『アキラとあきら』(22年)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(24年)、Amazon Originalドラマ「龍が如く~Beyond the Game」(24年)など。17年公開の映画『帝一の國』で、『第41回 日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。Netflix映画「10DANCE」が12月~世界独占配信。

【作品情報】
火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
10月7日(火) よる10時よりTBS系にて放映スタート
出演:夏帆 竹内涼真 中条あやみ 青木柚 前原瑞樹 サーヤラランド) 楽駆 杏花  池津祥子 菅原大吉
原作:谷口菜津子
脚本:安藤奎
音楽:金子隆博
主題歌:This is LAST「シェイプシフター」
演出:伊東祥宏 福田亮介 尾本克宏
ⒸTBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/antaga_tbs/