2022年に歌謡コーラスグループ・純烈を卒業し、ソロで活動中の小田井涼平さん。会社員を経てモデル、俳優として活躍し、その後、何もわからぬままに、30代後半から健康センターで歌い踊る純烈に身を投じることに。その経歴を、ユーモアたっぷりの口調で語ってくれた小田井さんの、THE CHANGEとは。【第1回/全5回】

小田井涼平 撮影/三浦龍司

 事務所のテラスで撮影中の小田井涼平さんの様子をうかがいに、事務所スタッフが続々とテラスに集まってきた。

「こんなにたくさん。ひやかしに来たんでしょう」

 笑いながらもサービス精神たっぷりに決めポーズを作り、現場を盛り上げてくれる。ほんの数分の出来事で、小田井さんの太陽のようにエネルギッシュな人柄が垣間見える。

 2022年12月31日放送『第73回NHK紅白歌合戦』への出場を最後に純烈を卒業し、現在はソロ活動中の小田井さん。卒業を発表したのは、50歳のとき。人生の節目を意識した卒業なのかと問うと、「いや、初めての紅白が決まった年から、事務所の社長には相談していたんですよ」と明かすのだ。

「もともと僕個人の夢は“座長公演”で、純烈としての夢は“紅白出場”でした。2018年末に純烈としての夢がかないましたが、僕は出場が決まった段階で社長に“次の1年で卒業させてほしい”と相談していたんですよ。メンバーには伝えていませんでした」

 メンバーに伝えなかったのには、理由があったという。