「もともと6人で始まったグループということもあって、踏ん切りがつきませんでした」

「ずっと考えてたんですけど、5人から4人になって、なじむのに時間がかかるやろうなと思ったし、これですぐに3人になると思うと……もともと6人で始まったグループということもあって、踏ん切りがつきませんでした」

 純烈は以降、2024年まで7年連続の紅白出場を果たしているが、小田井さんがついに卒業の意志を公にしたのは、2022年4月、5回目の出場に照準を定めていたタイミングだった。

「仕事が忙しくて、年を経るごとに肉体的にしんどくなってきて。ほんまに限界やなと思い始めていた年が、もし紅白出場できるなら5年連続というときでした。それで、“5という数字はキリがいいから、そこで区切らせてください”と伝えたんです。当初から4年遅れてるけど、今思えばよかった。グループも個人でも、認知していただく機会が増えてお客さんが増えたから。仮に当初の段階で卒業していたら、今の僕はこんなふうにはなっていなかったんやろうなと思うと、結果的にすごくよかったと思います」

 卒業から約3年の来年2月1日には、初のソロライブ「小田井涼平の歌ってんねん! supported by ひざの助」を開催する。メインビジュアルには「一夜限りの“架空の歌番組”開幕!?」とのサブタイトルが踊る「歌番組をコンセプトとしたエンタメ歌謡ライブ」だという。自身の夢だった、“座長公演”への大きな一歩に思えるのだが…。

第2回に続く

おだい・りょうへい
1971年2月23日生まれ、大阪府出身。仙台での会社員を経てモデル活動を開始し、上京後、2002年放送『仮面ライダー龍騎』(テレビ朝日系)のメインキャラクターで俳優デビュー。2007年に酒井一圭の誘いで「純烈」メンバーになると、2010年に『涙の銀座線』でメジャーデビューを果たす。スーパー銭湯などを主戦場に熱いファンを獲得し、サービス精神満点のファンサービスが話題に。2018年から卒業した2022年まで『NHK紅白歌合戦』に5回連続出場。2022年10月にはソロアルバム『息子がお世話になりました。』を発売。2017年にタレントで映画コメンテーターのLiLiCoと結婚した。『大好き東北 定禅寺しゃべり亭』(NHK仙台)や『今泊まりたい!いいふろ温泉宿』(BS10)ほかにてレギュラー出演中。