ちょっとした“間”が面白いんです

 僕はお客さんとじかに接する舞台こそ自分の生きる場所だと思っています。舞台でのコケ方や、間の外し方は、共演させてもらった左とん平さんや小松政夫さんから学びました。呼び止められて返事するのも、すぐ振り向くか、一瞬置くかで全然違う。ちょっとした“間”が面白いんです。

コロッケ 撮影/角田忠良

 9月20日から明治座で『大逆転!戦国武将誉賑』という舞台を行っています。僕が豊臣秀吉、ねねが久本雅美さんという時点でふざけていますよね。織田信長松平健さんで、お濃が檀れいさん。松平さんと檀さんが僕のロボット五木ひろしのような、ロボットものまねに挑戦、最後に『マツケンサンバⅡ』も歌います。

 お陰様で今年は芸能生活45周年です。振り返ってみると、役者の方の芝居に対する執念、歌手の方の歌に対する執念、芸人の笑いに対する執念ーーそれぞれを盗んで、重ねてきたものが、僕自身の“人間力”になっていると思います。

 ずっと無茶をしてきたので、今やっと健康に気をつけるようになりました。お酒の量も減らし、朝はまずストレッチ。顔面ストレッチもやります。鏡の前で、いろいろな方の表情を一瞬で作れるように。

 今後は海外に出たいと考えています。そのために、ブルース・リーやマイケル・ジャクソン、アル・パチーノなどのものまねを練習しています。最近、取り込んでいるネタは、モゴモゴとレストランで注文するシルベスター・スタローンです。

 今は65歳です。チャレンジするなら年齢的に最後でしょう。50周年には、海外でスタローンのものまねをしている最中にご本人が後ろから登場ーー可能性はゼロじゃない。それが夢で、実現したら最高です。

コロッケ(ころっけ)
1960年3月13日、熊本県出身。80年『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)で注目され、『ものまね王座決定戦』(フジテレビ系)でブレイクする。2014年に文化庁長官表彰、16年に第16回ビートたけしのエンターテインメント賞 日本芸能大賞を受賞。熊本の農業支援や子供食堂への支援など多岐にわたるボランティア「火の国プロジェクト」を立ち上げ、社会貢献活動にも力を入れる。また、「警察庁 特別防犯支援官」を務め、詐欺撲滅運動や、刑務所への慰問も行う。

『大逆転!戦国武将誉賑』
2023年の大好評舞台の第2弾。明治座公演は10月19日まで。11月8日~24日には大阪・新歌舞伎座でも上演。また、好評を受け、来年正月には同じく明治座にて『松平健×コロッケ45周年特別公演』が決定!