2022年に歌謡コーラスグループ・純烈を卒業し、ソロで活動中の小田井涼平さん。会社員を経てモデル、俳優として活躍し、その後、何もわからぬままに、30代後半から健康センターで歌い踊る純烈に身を投じることに。その経歴を、ユーモアたっぷりの口調で語ってくれた小田井さんの、THE CHANGEとは。【第4回/全5回】

小田井涼平 撮影/三浦龍司

 7月30日放送のNHK連続テレビ小説『あんぱん』放送終了後、SNSがざわついた。元純烈の小田井涼平さんが、北村匠海さん演じる柳井嵩の就職先である三星百貨店の宣伝部部長として登場したのだ。放送後のSNS上は「演技上手すぎる!」「ビックリ」「元純烈の小田井涼平で笑った!」「気づかなかった。悔しい」などと小田井さんの話題で持ちきりとなった。

「いや、あれは違うんです。僕はNHK仙台の『大好き東北 定禅寺しゃべり亭』という番組で今年からMCをやらせてもらっているんですが、第1回目のゲストが『あんぱん』に出ていた細田佳央太くんだったんです。細田くんはヒロインの妹さんの想い人で、戦死してしまうという役どころで、番組に『あんぱん』のプロデューサーの方も来ていて。プロデューサーが細田くんと僕のやりとりを見て、オファーしてくださったようなんです。2週しか出ないし、そんなに注目してもらおうみたいな感じの役柄じゃないはずなんですけど、話題にしていただけてありがたいですよね」

ーー反響、とても大きかったですよね。

「誰かが気づいてくれりゃあええなくらいの感覚だったので、予想外でしたね」

 SNSには「もともと俳優だった」という事情通の書き込みもあったが、小田井さんはモデルを経て2002年放送『仮面ライダー龍騎』(テレビ朝日系)で俳優デビューしている。

「仙台から上京したのが28歳のときで、30歳で区切りをつけようと思っていたんです。結局30歳で『仮面ライダー龍騎』のオーディションが決まり、俳優人生が始まりました」