まわりのものを演技に取り入れる

小芝「20歳のときにNHK『ヒロシマ8.6ドラマ ふたりのキャンバス』で共演させていただいた近藤正臣さん(81)です。私が近藤さんの家にお邪魔するシーンがあって、そのときにお茶と大福が用意されていたんです。近藤さんはそれについて、“この役の人は、お客さんが来たときにお茶と大福を用意する人なんだ。それだけでも役の雰囲気がつかめる”って、おっしゃったんです。

 “私たちの役作りは役者だけじゃなくて、小道具さんやメイクさん、技術さんや美術さん、みんながこの役の人はこれを出すかな、好きかなって、考えて作ってくれている。そういうところからも、役の性格が見えるんだよ”って、教えていただいたんです。これはすごく印象に残っていますね」

小芝風花 撮影/冨田望

 ドラマ作品は1人だけで作っているのではない。近藤正臣さんといえば、小芝さんも出演した朝ドラ『あさが来た』などに出演し、さらに大河ドラマには1970年から現在まで10作も出演している名優だ。この教えは、小芝さんが俳優を続けていくうえで、大きな力になったようだ。

小芝「まわりの方が用意してくれるものから、こういうふうに演技を合わせたらいいんだ、とか分かったりするので、撮影現場では、なるべくまわりを見るようにしています。そこから演技のヒントをもらえることは、すごく多いので」

 まわりのものを、自分の演技に取り入れていく。小道具やセット、衣装以外にももちろん、共演する俳優から影響されるものも多い