中島健人と演技のキャッチボール
小芝「お芝居は相手とのキャッチボールだから、とは言われていたんですけど、以前はよく分かっていなかったんですよ。台本を家で読んで練習して、練習した通りのものしか出せない。相手が変わっても同じお芝居しか出せない。
なにがきっかけかはよく覚えていないんですけど、台本を読んでいたときには気づかなかった感情が、現場で相手を前にしたときに出たことがあるんです。台本通りなら、ただ怒っているせりふが、たとえば悲しくて怒っている、相手の常識がなさすぎて怒っているというふうに複雑な感情が入ってきて。そのときに、これがキャッチボールなんだって気づきました」
そのキャッチボールが、特に多かったのが『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系/2021年)だったという。
小芝「ちゃんとしたラブストーリーは、この作品しかやっていないんですけど、恋愛って感情がぐちゃぐちゃになるじゃないですか。それもあって、現場では台本以上のものがポンポンでてきましたね。相手役の中島健人さん(29)と喧嘩するシーンがあったんですけど、怒りながら“もしかしてこの人と別れてしまうかも”とか考えて怖くなってきたりとか。
親友役の佐久間由衣さん(28)と喧嘩するシーンを撮る前も、そのことを考えて控室で泣いちゃうぐらいでしたね。それぐらい、現場で生まれたものは多かったドラマでした」
振れ幅大きく、さまざまな役柄を演じている小芝風花さん。相手役とのキャッチボールから生まれた名演技も多そうだ。
■小芝風花(こしばふうか)
1997年年4月16日生まれ。大阪府出身。2011年に「ガールズオーディション2011」でグランプリを受賞。2012年のドラマ『息もできない夏』で俳優デビューし、ブルーリボン賞や日本映画批評家大賞新人賞を受賞するなど高い評価を得る。多くのテレビドラマ、映画、舞台に出演し、2023年7月17日に始まるドラマ『転職の魔王様』(カンテレ・フジテレビ系)では、社畜の未谷千晴役を演じる。
■『転職の魔王様』(カンテレ・フジテレビ系)
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