映画界、ドラマ界で欠かせない存在となっている井浦新さん。『ARATA』名義でモデルとしてスタートした日々からブレずに意識していることは、俳優活動の中で共演者との出会いによって生まれたものだという。そして、今回Amazonオーディブル(以下、Audible)で村上春樹作品の朗読に挑むにあたり、新たに感じたこととは――。インタビューに対し、丁寧に選び抜かれた言葉から、その熱い思いがこぼれる。【第1回/全3回】
井浦新さんが声を担当するAudible村上春樹『街とその不確かな壁』がリリースされる。朗読作品のオファーは率直に嬉しかったという。
「朗読というのは、俳優の仕事の中のひとつではあるのですが、舞台上で朗読劇を何度かやらせてもらったことはあったぐらいで、あまり経験していなかったんです。今回、オファーをいただいたときは、朗読の仕事自体が久しぶりだということもあって、ワクワク感が大きかったです。また、ライブではなく、しっかり完成度を高めながら、積み重ねていきながら一つの朗読作品を作るという経験は初めてだったので、楽しみでしかなかったです」