ニューヨーク留学「すごく心配してくれて、母親のようなメールをくださったり…」
――俳優としては、どんな影響を受けましたか?
「うれしかったのはもちろん、実践的なことも教えていただきました。まだ経験が浅い頃、舞台で役に入り込みすぎた自分から、どうやってふだんの自分に戻ればいいか分からなくなったことがあって。しのぶさんに相談したら、いろいろ教えてくださいました」
――どんなことを教わったのでしょうか。
「役に入るため、舞台に集中するための作業です。今でも開演前に舞台袖でやっていて、それをやると精神を集中できます。まるで、しのぶさん伝授の儀式のようですね(笑)。私がニューヨークに行くときもすごく心配してくれて、母親のようなメールをくださったり、本当に温かい方です」
――その後も舞台やテレビで、大竹さんとは何度も共演しています。思い出はありますか?
「お茶目にほめてくれます。『私よりすごいんじゃない?』『歌えるし』なんて言ってくださったり(笑)。うれしいと同時に怖れ多くて『そんな…』と、ちょっと恐縮ですね(笑)。いつも可愛らしくて、エネルギーのある方です」
そんな経験を糧に、今年は1月から2月の『SIX』、4月から5月には『ウエイトレス』、8月から9月には『ある男』と3作のミュージカルに出演。さらに、大人気シリーズであるドラマ『放送局占拠』(日本テレビ)にも出演するなど、多忙なスケジュールをこなしている。そんな中でも彼女が元気を保っているのには、ある秘訣がある。
「これだけ短期間に、3作も続けて舞台に出るのは10年ぶりくらいです。そのときは完全に稽古と本番が重なっている状態が3作続けてあって。その際、自律神経をおかしくなって大変だったので、“重ねて3作連続なんてもう絶対やらない”と思っていました。だけど今回、ドラマも並行して撮ってましたが、意外と大丈夫でした」