毎日のように謝罪「自民党からクレームが来たり…」

――もうひとつの意気地というのは。

「自分の職業は“謝ること”だと思う時期がありました。毎日のように謝っているんです。自民党からクレームが来たりしてね。自分が言ったことだけじゃなくて、編集の仕方がというときも、番組の代表として謝る。でもそれも当たり前です。ギリギリで攻め合っているわけですから。今はコードが厳しすぎてすっかり攻め合わなくなっちゃって寂しいですけど。僕は謝るのと同時に、“この1点には謝る気もなければ、今後も同じ姿勢で頑張ってまいります”と言う。視聴者からのお叱りにもそう。謝罪しながら交渉、ネゴシエーションしているわけです。謝罪&ネゴですね」

――謝罪&ネゴですか。

「日本語と英語がまざってめちゃくちゃですけど、とにかくギリギリのところでやっていた。だから自分の職業は“謝ること”と感じていたときでも、ここは謝らないぞという“意気地”を学びました。意気地がなかったら謝れない。ただの媚びになる。心から謝り、心から意気地を見せるというハイブリッドです。その腹くくりと意気地を学びました」

――そうした学びは今にどうつながっていますか。

「たとえばYouTubeは面白いですね。国際情勢にしても、すぐに出せますから。大変ですけど。基本、ひとりで喋ってますからね。70歳を超えてきて、しゃべりの場だって多くはない。でも僕はしゃべれているし、時事ネタを扱えるというベースもいただいた。辞めてすぐは浦島太郎状態でしたけど」