究極の目標は「しゃべり死に」
――というと。
「報道番組を担当したことで、エンタメのしゃべり屋は休業状態。バラエティ番組に出ると、ことごとくつぶれました。時代と合ってないんです。特に、報ステ降板後の11月からフジテレビで『トーキングフルーツ』という番組を始めたんですが2年半で終わってしまい、局には迷惑をかけました。ほかの局でも“古舘は、『報道ステーション』をやって終わった”と言われました」
――それは厳しいですね。
「都合よくバラエティ、エンタメの古巣に戻るなんて、ふざけんなと。古巣なんてないと。だから故郷に帰ったら何もなくなっていた感じです。そんなことも経験しながら、必然的にYouTubeに走った。自分としてはいろんなことをやって、ただしゃべっていたいだけなので。心の奥底には、僕をしゃべり屋に向かわせた、高校時代のチャペルの前でのプロレス大会実況がある。だからなんだっていいんです。芝生の上でもYouTubeでもね。ただ『報ステ』でいただいたものと同時に失ったものもあります。当たり前ですよね」
――今後は。
「僕の座右の銘は“しゃべり死に”です。しゃべりながら枯れていく。『トーキングブルース』でしゃべりながら、舞台の上で死んでいく。それで照明が絞られる。これが究極の目標です」
「ただしゃべっていたいだけ」という潔さ。究極の目標も、古舘さんが語ると説得力がある。
古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)
1954年12月7日、東京都生まれ。1977年、テレビ朝日にアナウンサーとして入社し、7月には新日本プロレスの実況中継番組『ワールドプロレスリング』の担当となる。1984年にフリーに転身。フジテレビのF1放送や競輪における現G1決勝戦などのスポーツ実況で人気を博すとともに、『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)などで司会者としても支持を集める。1988年からは、マイク1本を武器にひとりで喋り続けるトークライブ『トーキングブルース』を開始。1994年、95年、96年にはNHK紅白歌合戦の白組司会も務める。2004年4月5日から2016年3月31日までは報道番組『報道ステーション』(テレビ朝日系)の初代メインキャスターとして番組をけん引。2020年YouTubeチャンネル『古舘伊知郎チャンネル』を開設。2025年12月から2026年3月にかけ、東京を皮切りに全国5都市で『古舘󠄁伊知郎トーキングブルース 「2025」』に挑む。
●公演情報
古舘󠄁伊知郎トーキングブルース 「2025」
出演:古舘伊知郎
主催:古舘プロジェクト
制作:テレビ朝日ミュージック
https://talkingblues.jp/
●公演概要
タイトル:古舘伊知郎トーキングブルース「2025」
2025年12月7日(日) 東京・EX THEATER ROPPONGI 開場15:00開演16:00
2026年1月18日(日) 福岡・Zepp Fukuoka 開場15:00開演16:00
2026年2月12日(木) 愛知・Zepp Nagoya 開場18:00開演19:00
2026年3月7日(土) 大阪・Zepp Namba 開場15:00開演16:00
2026年3月20日(金・祝)神奈川・KT Zepp Yokohama 開場15:00開演16:00