プロ野球の監督を務めた父とプロゴルファーの妹を持つ俳優の工藤阿須加さん。自身もかつてはテニスに情熱を注ぎ、アスリート環境で育ってきた。2012年に俳優としてデビューし、最新映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』や放映中のドラマ『良いこと悪いこと』(日本テレビ系)にも出演中だが、近年は農業家としての活動を積極的に行っている。そんな工藤さん自身の、これまでの人生におけるいくつものCHANGEとなる出来事を聞いてみた。【第3回/全3回】
工藤阿須加さんが現在出演している映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』は、女性初のエベレスト登頂(1975年)をはじめ、世界七大陸最高峰を制覇した登山家・田部井淳子さんの実話を元に、家族や人生の選択について描いた作品だ。工藤さんは、吉永小百合と佐藤浩市が演じる主人公夫妻の青年期をのんと共に演じている。
そんな工藤さんには、俳優としての活動以外にも実はもう一つの顔──農業家としての顔がある。工藤さんが農業を始める契機となったのは、一冊の本との出会いであった。
「僕の母は読書家だったので家にはたくさんの本がある環境でした。ある時、家の廊下に本が落ちていたんです。その本をたまたま手に取って、“面白そう”と思って読んだのが、『奇跡のリンゴ』でした」