人生、どれかひとつに絞る必要ってあるのかなって

そんな工藤さんだが、あるインタビューで「役者に関しては、もし今後嫌になることがあったら辞めてもいい」と話している。そのことについて聞いてみるとーー。
「辞めてもいい……というよりは、本当に心が折れたり、絶望するほど精神的に辛くなってしまったりするのであれば、“辞めます”という意味です。それは農業も一緒です」
──俳優と農業、どちらか1つに絞ろうとは思わないのですか?
「人生、どれかひとつに絞る必要ってあるのかなって思うんです。子供の面倒をみたり親の介護をしたり、人生にはいろいろな状況がありますが、職種を変えることはあるかもしれないけど、仕事自体は辞めないですよね。そういう意味では、みんな二足……どころじゃなく三足も四足も履いていると思うんです。生きていく、“人生”というところでは絶対に何足も履いていると思うので。それが僕の場合は役者と農業だったというだけなんです」
同時にいくつものことを両立させるためには困難が生じ、ひとつに絞らなければいけない……という選択を迫られることを人生においては誰もが体験するだろう。工藤さんの生き様はそういったことに悩む人に励みになるかもしれない。
工藤阿須加(くどう・あすか)
1991年8月1日、埼玉県出身。ドラマ『理想の息子』(2012)で俳優デビュー。NHK連続テレビ小説『なつぞら』、Netflixシリーズ『御手洗家、炎上する』などのドラマや『ちょっと今から仕事やめてくる』、『ゴールデンカムイ』などの映画に出演。舞台『シラの恋文』(2023~2024)では初舞台に挑戦した。2021年より山梨県北杜市で農業を始める。 現在、バラエティ番組『有吉ゼミ』(日本テレビ系)内コーナー「工藤阿須加の楽しい農園生活」や「工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました」(BS朝日)に出演し、農業や食の問題について精力的に発信。現在放映中の日本テレビ系ドラマ『良いこと悪いこと』に出演中。
映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』
出演:吉永小百合、佐藤浩市、天海祐希、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき監督:阪本順治
脚本:坂口理子 音楽:安川午朗
原案:田部井淳子「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)
配給:キノフィルムズ
絶賛上映中!
Ⓒ2025「てっぺんの向こうにあなたがいる」製作委員会
公式サイト: https://www.teppen-movie.jp/