「スーパーアイドル路線を続けても、いつか絶対…」

渡辺:いつまでもアイドル然としてやっていくかどうかを考えたってことだよね。

北山:そうです。例えばMCをやるんだったら、バチバチに格好いい人よりも共感をたくさん得られる人の方が、俺としても圧を感じないからいいな、とか考えて。要はブランディングですね(笑)。
 それで、俺は芸能界で長く続けていくんだったら、なるべく嘘はつきたくなくて。ファンの方からみたら格好いい要素は減っちゃうかもしれないけど、その分、素の自分を応援してほしいなと考えました。

北山宏光 撮影/有坂政晴

渡辺:北山くんという人間を好きになってもらおうとしたんだ。

北山:そう、スーパーアイドル路線を続けても、いつか絶対この分岐は来るんです。俺はその路線を続けていたら、絶対に格好いい自分でいることに疲れちゃうから(笑)。もうこの、飾らない北山でいようと決めました。

渡辺:大人になってデビューしたからこそ、そこまで自分のスタイルを考えて発信できたのかもね。

――渡辺さんには、そういった明確な転機はありましたか?

渡辺:僕は明確な転機を経験したというより、俳優をやりながら“嘘をつかないこと”が芝居でも不可欠なんだと気づきました。ありのままの自分を出していくことですね。