2005年に「スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス」で審査員特別賞を最年少で受賞し俳優デビューの切っ掛けを掴んだ土屋太鳳さん。以降は、ドラマ、映画、舞台などでジャンルを問わず活動を続けている。プライベートでは2023年に結婚と出産をし、一人の女性として益々輝きを増している土屋さんのCHANGEに迫る。【第2回/全4回】

土屋太鳳 撮影/杉山慶伍

 現在公開中の映画『盤上の向日葵』に出演する土屋さんは、映画の公式ホームページに、撮影を通して「“これを失えば生きる意味も失ってしまう”ほど魅了される世界に出会ってしまったら、それは幸せなんでしょうか」という問いが心に巡ったとコメントしている。どういう意味か尋ねるとーー。

「具体的なシーンというより、ストーリー全体から感じた思いかもしれません。現場で演じているとき、(坂口健太郎さん扮する主人公の)桂介さんたちの表情から感じた気持ちでもあったと思います。
 私自身の場合はお芝居やダンスがそうなんですが、友人や家族を見ていても、好きなことを仕事にすると、その世界に入り込んだからこその大変さというものがあると思うんです。日常的にもそういう迷いはあるのだから、ましてや天才的な才能を持つ人は、より辛いだろうなと感じていました。心が受け取る情報量も違うでしょうから、気づかなくていいことにも気づいてしまったり。やりたいこと、やるべきことがいくらでも心に湧き出てくるのに、それを邪魔されてしまったら、生まれたパワーは自分の中で荒れ狂うしかないですよね」