2005年に「スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス」で審査員特別賞を最年少で受賞し俳優デビューの切っ掛けを掴んだ土屋太鳳さん。以降は、ドラマ、映画、舞台などでジャンルを問わず活動を続けている。プライベートでは2023年に結婚と出産をし、一人の女性として益々輝きを増している土屋さんのCHANGEに迫る。【第3回/全4回】

土屋太鳳 撮影/杉山慶伍

 「実際に生きた人を演じる時は、ご縁のある場所に行くようにしている」という土屋さん、ドラマデビューの時からすでにそれを実践していた。

「京都の坂本龍馬さんのお墓にお詣りに行きました。乙女さんのお墓は高知にあるんですけど、残念ながら行く時間がなかったんです。でも京都には行けたので、龍馬さんのお墓にお詣りして、“今度お姉さんの子どもの頃を演じさせていただきます”と御挨拶しました」

 ドラマデビューとなったこの作品は『龍馬伝』(2010年)。福山雅治さんが坂本龍馬に扮したNHKの大河ドラマだ。土屋さんは龍馬の姉・坂本乙女の少女期を演じた。

「当時はオーディションを受けても、なかなか役をいただけなくて。“1年に一回、受かる”を目標にオーディションに行っていたので、決まった時はプレッシャーというより喜びのほうが強かったです。子ども時代だけでしたので、撮影時間も短かったですし(笑)。でも私が演じた乙女は、成長したら寺島しのぶさんが演じられると分かっていたので、寺島さんの演技や表情を拝見して、おこがましいですけど、少しでも同じ雰囲気を出したいなとは思っていました」

 その後、NHKの連続テレビ小説『まれ』(2015年)で見事オーディションに合格し、主人公・希役を射止めた。