「私にできるかな、私でいいのかな」から「やらせてもらって、もっともっと知りたい」へ

「横田慎太郎さんのことは2023年の阪神が優勝したときの報道番組などを見て知っていたので、お話をいただいたときに、映画になさるんだと思って、そのことに驚きました。当時、“体力的に私にできるかな”、“私でいいのかな”という思いがあって、お受けするか迷っていたところはあったんです。
 ただ、秋山監督にお会いしていろいろとお話をうかがうと、監督の横田選手に対する思いがすごく熱くて、強くて……。これほどまでに皆さんが映画化を熱望している選手の母親の役なんだから、できる・できないじゃないなと思いました。ぜひともやらせてもらって、自分も一緒に、横田さんのことをもっともっと知りたいなと思い、お引き受けさせてもらいました」

©2025「栄光のバックホーム」製作委員会

  プロ野球選手とその母の濃密な日々。どんな思いで向き合ったのだろうか。

「慎太郎さんのお母さま、まなみさんが取材にお答えになっているVTRを見ると、芯が強くて、笑顔を絶やさないスタンスが本当にステキなんです。
 最愛の息子さんを亡くしたというのはつらいことだったと思うけれども、笑顔を絶やさずにお答えになっている姿を見て、これは役作りとかそういうことではなく、自分がいま感じているそのまま、常にほほ笑みを絶やさないように、息子を見つめていればいいんじゃないかなと思いました。
 だから、難しい役作りで悩むということもなかったですし、すごく僭越(せんえつ)……というか厚かましいんですけれど、何となく自分とちょっと似ているような印象を勝手に持っておりまして、まなみさんの役をやらせていただくということに関しては、なんの不安もなかったです」