日本の女子野球界の顔といってもいい片岡安祐美さん。監督業、さらに育児に日々、奮闘する片岡さんの「野球愛」に迫りました。【第1回/全2回】
――日本シリーズはご覧になりましたか。
「シーズン中のナイターは3歳の息子を寝かしつける時間と重なり、なかなか見られません。でも、プロ野球ニュースは毎日チェックしているし、今年の日本シリーズはほぼ見ることができました」
――ソフトバンクが強かったですね。
「小久保監督の選手起用に勝負師らしさを感じました。1、2戦で4番を打った近藤健介選手を、DHがない甲子園ではスタメンから外し、代打で起用。それが見事に的中しました。
投手交代も思い切りがよく、調子のいい選手をどんどん投入していくという感じで、短気決戦の戦い方を徹底していましたね。私自身、継投で失敗することが多いので勉強になります」
――やはり、監督目線で試合を見てしまうんですね。
「どうしても、そうなりますね。阪神の藤川球児監督もすごい方だと思いました。第2戦の大敗後、記者から故障明けのデュプランティエ投手を先発に起用した理由を聞かれ、“ご想像にお任せします”とだけ答えられた。シーズン中もマスコミ対応は控えめでしたが、たぶん選手を守りたいんだと思います。マスコミを通しての選手批判はまずしないですね」
――記者に向けて選手を批判し、それでハッパをかける監督もいます。
「どちらが正解かは分かりませんが、藤川監督は遠回しに言うのではなく、おそらく選手に直接言うことを貫かれている。選手との対話を大切にしていらっしゃるんじゃないかなと思いました。一方で、とても厳しい方ですね」