私が大谷選手に引かれるのは記録やプレー以上に、人間性の部分

――どういうところに、それを感じますか。

「昨年の監督就任会見で“働かないベテランはいらない”とおっしゃっていました。つまり優勝するために俺は非情になるんだという強いメッセージを発した。選手との年齢も近いだけに、あえて言ったんでしょうね。
 そうした監督の覚悟というか、腹のくくり方は必ず選手に伝わります。言葉はすごく大事です。藤川監督はリーダーにふさわしい言葉を持った方だと、私は思っています」

――MLBでは今季も大谷翔平選手が大活躍でした。

「私が大谷選手に惹かれるのは記録やプレー以上に、人間性の部分。例えばグラウンドで小さな石を見つけると、必ず拾いますよね。これって、野球をやった人は必ず最初に教わってきていると思います。
 でも、だんだんおろそかになっていく。ところが、大谷選手はMLBという最高峰の舞台でプレーする今も、それを続けています。やはり偉大な選手ですよね」

――そういえば、片岡さんも2009年に始球式で、MLBのグラウンドに立ちましたよね。

「イチローさんと城島健司さんがいた頃のマリナーズの試合でした。小柄な私が、ど真ん中にストライクを投げると、観客が総立ちになって拍手。このときは鳥肌が立ちました」

――イチローさんとは何か話されましたか。

「あのときイチローさんとお会いするのは2度目でした。最初はゴールデンゴールズに入ったばかりの頃。もう2度と会えないと思っていたら、また、その機会が巡ってきたわけです」