コメディからシリアスなものまで幅広い役柄で見る者を魅了し、ドラマ、映画、舞台にCMと、いまや国民的俳優の一人ともいえる多部未華子さん。プライベートでは妻であり母としても日々多忙な生活を送っている多部さんのCHANGEを聞いてみた。【第2回/全3回】

多部未華子 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/中西樹里 スタイリスト/岡村春輝(FJYM inc.)

「大学の友達が就職して社会人になった時に、私も社会人として生きていかなければならないという自覚が出てきて、今の“俳優のお仕事に就職した”というような感覚でした」

 こう語る多部さんが大学を卒業したのは24歳の頃のこと。2002年に俳優としてデビューし、その後20年以上に渡り第一線で活躍を続けているが、NHK連続テレビ小説『つばさ』(2009年)でヒロイン・玉木つばさを演じたことは俳優として大きな変化をもたらした。

 『つばさ』は、川越の老舗和菓子屋の娘・つばさとその母・加乃子(高畑淳子)を軸にしたヒューマン・ドラマ。オーディションで選出された当時、歴代の朝ドラヒロインとしては初の平成生まれとしても注目された。

「19歳から20歳にかけて、座長として10か月を過ごしたことは大きかったと思います。当時は朝ドラに専念したかったので、通っていた大学も休んでいました。四大だったんですけど、結局は2年休学したと思います。その頃、同級生たちは就活の時期だったんですが、私は“ずっとこの仕事で生きていくのだろうか”とも考えていました。卒業したのは24歳の時だったと思うんですけど、俳優という仕事一本に絞るということから明確な責任感は生まれました」