主演ドラマ『シャドウワーク』で俳優として新境地に挑む
この『つばさ』と同年に放送されたドラマ『不毛地帯』、そして映画『フィッシュストーリー』で2010年には「エランドール新人賞」を受賞、その翌年には初の主演舞台『農業少女』で「第18回読売演劇大賞の杉村春子賞(新人賞)」を受賞した多部さん。以降も「ザテレビジョンドラマアカデミー賞」、「日本映画プロフェッショナル大賞」、「日本映画批評家大賞」、「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」など様々な賞を受賞。大学を卒業後に俳優を一生の職業としていくことを決め、着実に成長の道を歩んでいった。
そんな多部さんが俳優として新境地に挑むのが『連続ドラマW シャドウワーク』。11月23日からWOWOWプライムほかでスタートした佐野広実原作のヒューマン・ミステリーだ。自身「これまであまり演じたことがない」という悲惨な境遇の主人公、夫からDVを受け続け、命懸けで逃げ出した主婦・紀子を演じる。

「物語自体はシリアスで重いんですけど、撮影現場は常に誰かが喋っていて笑いの絶えない明るい現場でした」と語る通り、監督も助監督もいつも気兼ねなく意見を出し合うなど、シリアスな内容とは真逆の和気あいあいとした現場だったようだ。そして、座長である多部さんを含めキャストのほとんどが女性というのもかつてないことだった。
「そういう現場ってこれまであまり経験したことがなかったので、すごく新鮮でした。“こんなにもフランクでいいんだ”と。でも、ほんとに楽しい現場だったのでそれが学びでもありましたね」