何かが違っていた憧れの芸能生活「テレビの中でどう振る舞ったらいいのかわからなくて」
レギュラー番組を持ち、シンガーとしてもデビュー。しかし、憧れていた芸能人とは、何かが違っていた。
「今は、ネットから有名になってメインのメディアに出るようになるのが珍しくないけど、当時はインフルエンサーというワードもなく、テレビの世界の人たちは僕をどう扱ったらいいのかわからなかったと思うんです。僕のほうも、テレビの中でどう振る舞ったらいいのかわからなくて」
SNSはセルフプロデュースが基本だ。自分で撮影し、編集してアップロードする。その根っこには「自分がみんなに見せたい自分」がある。
「でもテレビは、まず番組の意向があって、打ち合わせがあって、台本があって、事前アンケートがあって、共演者がいます。本番ではカンペが出て、流れに乗っているうちに番組が進行しちゃう。ネットで応援してきてくれた人からすると、『kemioくん、おもしろくなくなった』ってことになって、僕自身の思考が停止しちゃったんです」