ティーンエイジャーの頃に始めたSNSをきっかけに、今や世界を舞台に活躍する、kemio。20歳からの10年間を詰め込んだ初の写真集『kemio by kenta』をリリースした彼の、THE CHANGEとは————。【第2回/全5回】

kemio 撮影/冨田望


 2025年10月16日は、kemioにとって特別な日だった。この日、彼は30歳になり、自身初の写真集『kemio by kenta』が世に送り出されたのである。渋谷PARCOでの写真展『裏アカ』期間中だった誕生日当日には、ファンと直接触れあえるバースデーパーティも開催された。

「写真展の期間中にめまぐるしくいろんなことが起きて、まわりにいてくれる人たちの愛を実感できたし、自分が置かれている環境に感謝したいな、って思いました。こんなにありがたい30代のスタートはないと思う! でも、写真展の準備をしているときは、けっこう不安だったんです。人が来てくれるのかな、って。というのも、僕の言葉が好きと言ってくださる人はいるけど、写真ってどうなんだろう、って思ってて」

 kemioの魅力を語るうえで、彼の言葉のセンスを避けて通るわけにはいかない。「あげみざわ」「ないたー」「ほんmoney」「おったまgetdown」は、『JC・JK流行語大賞』にランクインし、著書『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』『ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう』(ともにKADOKAWA)は、自分らしく生きるということを、kemioならではの言葉で語り、圧倒的な支持を得た。

「だから、写真展の会場にたくさんの人が足を運んでくれて、本当にうれしかったし、楽しかったです」