祖父母のもとで大きくなったkemioと兄「僕のおばあちゃんが『あっという間だよ』って言うんですよね」
もう大人にならざるを得ない、というような気がしたということだろうか?
「27歳あたりで、まわりからの『若〜い!』っていうリアクションが減ってくるんですよね(笑) 現実的なことで言うと、それまで『今が楽しければいいよね!』って一緒に遊んでいた友達が結婚して家族を持ったり、夢を追いかけていた友達が違う道を選んだりするようになったのが、27歳くらいでした。コロナ禍もあったり、自分と、時間と、未来の関係について考えはじめて、28歳は、もっと気まずかった。でも、30歳になったらまた『若〜い!』って言ってもらえるんですね、不思議なことに。やっと気まずくなくなってホッとしています(笑)」
30歳になった今、40歳、50歳になった自分のことを考えることは?
「考えてるつもりです。でも『長っ!』と思います(笑) 僕のおばあちゃんがいま80代なんですけど、『あっという間だよ』って言うんですよね。年齢を重ねることに恐怖は覚えないけど、時間のスピードが速くなるのは、ちょっと恐いですね」
kemioと話していると、ときどき「おばあちゃん」が登場する。2歳のときに事故で両親を亡くした彼と兄は、祖父母のもとで大きくなった。
「僕は、おばあちゃんを始めとするディーヴァ(語源は女神。現在は世界的な歌姫を指す)に育てられたと思っているんです。おばあちゃん、マライア・キャリー、ビヨンセ、レディー・ガガ……彼女たちに影響を受けながら大人になったことは、僕の人生においてとても大きなことだという気がします」