長く愛される名作ミュージカル『クリスマス・キャロル』がこの冬再演される。主人公・スクルージを演じる吉田栄作さんが思う本作の魅力と見どころ。そして、16歳の時にこの世界を志してから定期的におとずれる「CHANGE」について。さらに、時を経て今思う『心の旅』への思い、そして、いつまでも燃え続ける炎の意味とは――。【第1回/全3回】
クリスマスの夜に繰り広げられる奇跡のストーリー、ミュージカル『クリスマス・キャロル』が再演される。今回、主人公・スクルージを演じるのは吉田栄作さん。再演決定の報を聞いた時の思いは。
「3年前の公演が終わったときは、本当に感無量の思いでした。新潟の長岡公演が大雪で中止になったのが残念ではあったんですが、とにかく無事に最後まで公演を行うことができたというのが大きな喜びでした。それと同時に、そこから少し時間が経って、もう一度やりたいなという思いも湧いてくる作品だったので、今回、演出の西田直木さんから連絡があった時は、またやれるんだととても嬉しかったですね」
吉田さんが演じるスクルージはロンドンの下町であくどい商売を行う街の嫌われ者。癖のあるこの役をどう捉えているのだろう。
「スクルージはいわゆる守銭奴なんですけど、そこにはそうなった理由があるんですよね。きっと、人生経験を重ねた人なら誰もが自分の中にスクルージを持っているはずだと思うんです。
『クリスマス・キャロル』って、もちろんお子さんが楽しめる作品だと思うんですけど、大人は観ると、どこか身につまされる部分があると思うんですよね。自分の中のスクルージと対話しながら作品を観て、最後は改心したスクルージを観て、きっと、観終えたときに自分も明るくポジティブになれる作品だと思っています」