ミュージカルならではの「歌」の魅力

 ミュージカルで歌うことの魅力を、舞台を重ねるごとに強く感じるようになったという。

「例えば今回で言えば、スクルージの感情というのが一番大事なわけですよね。だから、演出の西田さんからも“歌を歌おうとせずに、そのときの思いを大事に一つ一つの楽曲と向き合うように”ということを言われていて、それはミュージカルの大切な部分だなと思っています。

 そして、ミュージカルって、おなじみの曲を聴くことができるのが魅力じゃないですか。やっぱり、『キャッツ』を観に行ったら『Memory』を聴きたいし、『オペラ座の怪人』を観に行ったら『The Phantom of The Opera』はやっぱり聴きたいですよね。そこがミュージカルの魅力で、この『クリスマス・キャロル』でもそういう楽曲の魅力を感じてもらえると思います」

吉田栄作 撮影/有坂政晴

 そして、今作では、相手役となる“三人の女”を土屋アンナさんが演じる。‎‎

「アンナさんが2度目のミュージカルに挑戦するということで、どんな感じか楽しみだったんですけど、稽古で会って感じたのはとにかく素晴らしいオーラを放っている方ということですね。“三人の女”という役は、演じる人によってとても変わるもので、アンナさんがやると魅力的でかなり面白くなるだろうと確信しています」

 昨年出演した舞台『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』も再演だったが、今作も再演。再演の難しさや魅力についてどう捉えているのかもうかがった。‎

「前回も観てくださって、今回も観に来てくださる方も多いと思うので、違いや成長を見せないといけない、というのは一番に思うことですね。再演は作り上げる側からしてもスタート位置が違うんですよね。しっかりそのアドバンテージは活かしたいです。俳優としての3年、人間としての3年を重ねてきて、その経験はすべて舞台の表現に繋がってくると思うので、そこは自信をもって届けたいですね」

そして、今年のクリスマスはこの作品で思い出を刻んでほしいと話す。‎‎

「全国12カ所を回るわけですが、“2025年のクリスマスはこれだったね”という、家族や大切な人と過ごした記憶に残るものになってもらえたら嬉しいですし、そんな作品になると思っています。期待してください」

 

よしだ・えいさく
1969年1月3日生。神奈川県秦野市出身。1988年に俳優デビュー。1989年には『どうにかなるさ -Chasing My Dream-』で歌手デビュー。90年代にはトレンディドラマの主演を多数つとめ、00年代には人気番組『マネーの虎』の司会など、幅広い分野で活躍。現在も俳優、歌手として多数の作品に出演。

<公演概要>
ミュージカル 「クリスマス・キャロル」〜 National Tour 2025〜
原作:チャールズ・ディケンズ
演出・台本・⾳楽︓⻄⽥直⽊
⾳楽張替政彦
振付:吉⽥ 潔・中川久美

ツアースケジュール
12 ⽉ 20 ⽇(⼟) 可児市⽂化創造センターala
12 ⽉ 22 ⽇(⽉) 松⼭市⺠会館
12 ⽉ 24 ⽇(⽔) IICHIKO グランシアタ
※最新情報と、各地公演の詳細は公式サイトにてご確認ください。
公式 HP:http://the-musical.jp/xmas25/