緩急をつけて演じないと観客に嫌われてしまう
――分かります! ちょっとぶりっ子ですよね……?
「そう! もっと、しっかりしようよ! いい年した女がぶりっ子してんじゃねーよ! みたいな(笑)言動をするけど、嫌われないように演じたんです」
――どう演じたんですか?
「娘とのラフな親子関係を見せつつ、一樹の前でだけぶりっ子しました。いくつになっても好きな人の前ではかわいくしていいんだよ、ということも、観てくださった方に伝えたくて。
『セフレの品格』は、同名漫画が原作ですが、同じ言動でも漫画の抄子は2次元的な清潔さがあるので、ぶりっ子には見えないんですよね。でも、映像で生身の人間が演じると、人のいやらしい部分が際立って印象が変わってしまう。だから、“緩急をつけて演じないと観客に嫌われてしまうぞ”と思ったんです。それで、見苦しいかもしれませんが(笑)、一樹にだけキュンキュンさせてもらいました」

――ベッドシーンもドキドキしました。素肌を重ね合わせ、全身で愛情を感じ合う交わりでしたね。
「城定秀夫監督は生々しく艶強めに撮られる方だと思うので、監督にほぼお任せしました。とはいえ、監督に聞いたら“俳優に任せた”と言うと思うんですが。
青柳さんとは前作から引き続きの関係性ですが、交わる時間がイベント的だった前作と違い、生活になじんだラブシーンにしたかったんですよね。ドキドキしすぎずフラットに、ソレが“いつもある”という状態を表現したかったんです」
――今回は、竹財さんの他にも、ゆきずりの男性とも寝ますよね。
「そのあたりは、一樹とのシーンとはガラッと変えましたね。過剰にキャッキャ、ウフフしているというか。その過剰さを“愛情のなさ”として表現したといいますか。あえてはしゃいだ“イベント感”と、一樹との“生活感”を対比させることを意識して演じました」
(つづく)
行平あい佳(ゆきひら・あいか)
1991年生まれ、東京都出身。2018年『私の奴隷になりなさい 第2章 ご主人様と呼ばせてください』で映画初主演。近年の主な出演作に、映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』(23年)やドラマ『JKと六法全書』(EX/24年)など。本作『セフレの品格』シリーズでは1作目『初恋』、2作目『決意』(ともに23年)に続き、青柳翔とW主演を務める。
映画「セフレの品格」公式サイト – sfriends-pride: https://sfriends-pride-movie.com/