「時流の中で人気が出ただけで、これでいいのか?という思いがずっと自分の中にあった」

 そして、初舞台を踏んだ36歳の変革のタイミングからさかのぼること10年。26歳のときにも一つの変革が起きる。

「この10年前、26歳のときに僕はアメリカに渡ったんです。それも大きなCHANGEですよね。16歳の時に目指した俳優になって、有名になったけれど、時流の中で人気が出ただけで、これでいいのか?という思いがずっと自分の中にあったんです。人気はいつかなくなるものなので、自分でそれを決められるなら、自分で決めようと思ったんです。休めて学べて挑戦もできる場所としてロサンゼルスを選びました」

 なりたかった世界に立ち、なりたかったポジションに立ったが、その達成感と同時に違和感も持ち続けていたという。

「それほど下積みを積んで、その位置に行ったわけじゃないし、何となく時流の中で人気というものが生まれて、そこにいる自分というものに対して、“これでいいのか?”という思いはずっとあったんです。心も疲れてたと思うし、休めるところで学べるところはどこかないか、と探し求めていたら、世界地図を広げたときに、ここだ、と。アメリカ西海岸のロサンゼルスだと。そんな感じで向かいました」