27年にわたって愛され続けるスピッツの名曲「楓」を原案に、行定勲監督が珠玉のラブストーリー映画『楓』を完成させた。その映画で、大切な人を失う運命と向き合う主人公を演じた福士蒼汰さんに、双葉社 THE CHANGEではインタビューを敢行。本作の撮影や作品への思い、さらには、俳優デビュー以来、歩んできた道のり、そして、その道中で生まれた「CHANGE」の瞬間について、話を聞いた。【第3回/全5回】
俳優・福士蒼汰のキャリアを振り返って、大きな転機となった出来事は? と、聞いてみると、その俳優人生をスタートさせた作品を真っ先に挙げてくれた。
「やはり、「仮面ライダー」(「仮面ライダーフォーゼ」に出演)ですね。デビューの年に初主演をやらせていただいたんですが、当時は18歳になったばかりで。まだまだプロでもなんでもないって自分の中で思っていて、何者でもなかったんです(笑)。でも、仮面ライダーの主演となると、イベントでも舞台あいさつでも、取材のインタビューでも、しっかりしたコメントを求められたりするんです。“では、最後にひと言どうぞ”って。
引っ込み思案だったし、人前に出てどんどん話をするタイプでもなかったので、最初はすごく苦手でした。でも、1年半ぐらいの間、“福士さん最後にコメントを”というのを受けていくと、慣れてくるんです。それと同時に、作品の顔としての責任感みたいなものも自然と芽生えてきて。他ではできない、いい経験をさせていただいたなと思います」