仮面ライダーへの出演「責任感みたいなものも自然と芽生えてきて」

 実は「仮面ライダーフォーゼ」の撮影当時、毎月のように取材で撮影所を訪れ、インタビューをさせていただいたのだが、確かに、最初の頃はインタビューで笑顔はなかったかもしれない。硬かった印象です、と話すと「硬いというか、余裕がなかったんだと思います」と笑う福士さん。

「どうしていいかわからなかったんですよね。でも、ちょっとずつ変わることができました。他の作品なら、1クールで終わるので、また次の作品で、となっていたかもしれないですけど、1年半ですからね。あの1年半がなかったら、僕自身、違う俳優人生だったと思います。「仮面ライダー」だったからこそ、生まれた感覚だと思いますね」

 そして、この「仮面ライダーフォーゼ」の後、全国的に福士蒼汰という俳優を強く印象づけたのがNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の“種市先輩”だった。
「『あまちゃん』は大きかったと思います。撮影に入ったのは、まだ19歳のときだったので「仮面ライダー」の翌年ぐらいに『あまちゃん』をやっていましたね。10代ラストのタイミングで大きい作品に出会って、すごく変化が大きい時期でした。大きい壁でもあったんですけど(苦笑)」