『スクール☆ウォーズ』では歌いながらケンカ…
「ただ帰ったら何しに来たのか分からないんですけど、台本に書いてあるので真剣にやりました。セリフも全てそのままです。僕はデビュー当時、台本は誤植までそのまま言えと教わってきました。ポッと出の役者が、脚本家が血肉を込めて汗水たらして紡いだセリフを、その場の感情で変えるなと。点と丸、線も意味が違うと教えられました。なので、一言一句違わずに、台本通りに言っていました。それから印象深いといえば、『スクール☆ウォーズ』では歌いながらケンカとかしてましたね(笑)」
――あの世界観がたまらないんです。ご自身の人気が“来てるな”と実感した瞬間はありましたか?
「人気があったかは分かりませんでしたが、撮影にも電車で通っていたんですけど、そこで声が聞こえてくることはよくありました。『スクール☆ウォーズ』の放送が土曜日にあって、日曜を経て月曜日に撮影に行くときに通学中の学生と一緒になったりすると、みんな『スクール☆ウォーズ』の話をしてるんです。僕が隣にいるとは気づかないまま“松村雄基、泣きすぎだよな。泣くのは泣き虫先生だけでいいんだよ”とか言ってて」
――(笑)。
「なので、みんな見てるんだなというのは感じていましたね。それから『スクール☆ウォーズ』といえば、僕の友達の、元ソフトバンク監督の秋山幸二さんが二軍監督をやっていたときに、移動中のバスの中で、選手たちに『スクール☆ウォーズ』を見せていたらしいです。野球とラグビーとでスポーツ自体は違うんですけど、“マインド”ですよね。ほかにも“『スクール☆ウォーズ』の教えのおかげで今の僕がいます”とか、世代ではなくても親や、秋山さんのような監督に見せてもらったとか。そういう話は今でも聞きます。ありがたいですね」
『スクール☆ウォーズ』の初回放送は1984年。実に40年以上が経ってこの影響力。令和には考えられない、いわゆる昭和的描写が多いにも関わらず、その“マインド”は、世代をまたいで受け継がれている。
(つづく)
松村雄基(まつむら・ゆうき)
1963年11月7日生まれ、東京都出身。1980年、高校在学中にテレビドラマ『生徒諸君』でデビューを果たす。その後、『不良少女とよばれて』『スクール☆ウォーズ』『乳姉妹』『ポニーテールはふり向かない』『花嫁衣裳は誰が着る』と、1980年代の大映ドラマに数々出演。大映ドラマブームの立役者として人気を博す。30歳を機に舞台に進出し、映像、舞台の両面で活躍中。2026年のスタートは実在の作曲家・服部良一を演じる舞台『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』。
●作品情報
『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』
作:小野田勇
補綴・演出:齋藤雅文
音楽:服部隆之
協力:亀井ヱイ子
出演:出演:キムラ緑子、松村雄基、林翔太、桜花昇ぼる、曽我廼家寛太郎、一色采子、惣田紗莉渚、賀集利樹
2026年1月2日(金)~20日(火)
会場: 三越劇場
公式サイト: https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/mitsukoshi_2601/
2026年1月24日(土)~2月1日(日)
会場:南座
公式サイト: https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/20260124minamiza/