2018年にスカウトされて芸能界入りし、翌年ドラマ『トレース科捜研の男』で俳優デビュー。 近年の主な出演作に、映画『市子』や『六人の嘘つきな大学生』、連続テレビ小説『あんぱん』など、俳優としてめざましい活躍を見せる倉悠貴さん。次々と話題作に出演を果たす倉さんにとっての「CHANGE」となった出来事や、出演作への思いなどを聞いた。【第1回/全4回】
取材日は映画の完成披露舞台あいさつがあったため、黒のセットアップにネクタイをキリリと締め、ややフォーマルな装いで取材部屋に現れた倉悠貴さん。12月19日から公開中の映画『新解釈・幕末伝』では、新撰組最強の剣士といわれた沖田総司役を演じる。そんな倉さんに、福田雄一監督作品特有のコメディスタイルに初挑戦した今の気持ちを聞いた。
――倉さんは今作が初の「福田組」でしたが、視聴者として見ていた福田監督作品の印象と、実際に演者として出演した感想をそれぞれ教えてください。
「僕は小さい頃から『勇者ヨシヒコ』シリーズ(テレビ東京系)なども見ていましたし、同世代の間でめちゃくちゃ流行っていたんです。やっぱり福田監督の作品というと、笑わせるセンスみたいなものが問われるのかなと思っていたので、今までやってきたお芝居とは求められることが違うんだろうなと、初めはとても緊張していました。
驚いたのは、福田監督はテストをしないでそのまま本番を撮るんですよ。僕と小手伸也さん、松山ケンイチさんで事前に段取りを確認していたら『倉くん、声だけもっと大きくやってもらっていいですか?』と福田監督から言われたので、それだけを意識してやりました」
――W主演のムロツヨシさんや佐藤二朗さんをはじめ、これまで福田作品を支えてきた方や大先輩方が出られる作品に飛び込んでいくのはかなりのプレッシャーもあったかと思うのですが、出演が決まった時はどんな思いがありましたか?
「僕は福田監督とは全く面識がなかったので、お話をいただいた時は『なんで俺?』と思ったのが正直なところでした。福田組の現場がどんな雰囲気なのか分からないし、この布陣の中に突然ポッと入ることになり、初めはめちゃくちゃ緊張していました。
台本では“コンセプト茶屋”に入るシーンも2ページくらいだったのに、どんどん膨らんでいって、もうアドリブ合戦みたいな感じで。その現場を経験できたことは本当に大きかったし、僕自身も楽しかったです」