「結果、小手さんと松山さんと相撲をとっているような芝居になりました」
――映画の前編で、小手さん演じる近藤勇と松山さん演じる土方歳三、そして倉さんが演じる沖田総司の3人で、くノ一のコスプレをした女性たちがもてなす流行りの“忍び茶屋”(通称「コンセプト茶屋」)に入る・入らないでもめるシーンは、どこまでが脚本通りでどこからアドリブなのか分からなかったです。
「まず3人で一回集まって、ちゃんと台本の読み合わせをしたんですよ。にも関わらず、松山さんが本番で全然違うことをやるから“あの読み合わせに一体、何の意味があったんだ?”って小手さんがちょっと怒っていました(笑)。
そういった意味では、演者として怖い現場だと思いましたね。割と唐突に段取りをやって、すぐに“本番やります”という流れだったので、小手さんと僕は福田組が初めてだから焦っちゃって。実際の撮影では想定外のことが始まり、結果、小手さんと松山さんと相撲をとっているような芝居になりました」
――福田監督作品の現場では、役者さんの適応力や瞬発力が問われるんですね。
「“コンセプト茶屋に入りましょう”と言った後の動きやリアクションなどは全部アドリブなんですよ。なので、そこからのワチャワチャしているところでは誰から何が飛んでくるか分からないし、僕も何を言えばいいか分からなかったのですが、そこはさすが先輩方だったので、僕はなんとかそこに乗っからせてもらった感じです」
――3人のシーンでは、小手さんが「ツッコミで筋肉痛になったのは初めて」と仰っていました。
「あそこは体当たりするセンスみたいなものが問われるシーンだったので、僕も“もう全て忘れてやる!”くらいの気持ちで、お二人の胸を借りるつもりでぶつかっていきました。演じていても、ちょっとスポーツをやっているような感覚はありました(笑)」
――「本作の沖田総司」を演じるうえで特に意識した点を教えてください。
「一応、映画のタイトルには免罪符として『新解釈』とついているから“何をやってもいけるんだ”というイメージは勝手に持っていましたし、本当はもうちょっとかっこよく沖田総司をやりたかったんです。でも、本番でカメラがまわり始めてから、突然松山さんが小手さんを攻め出したので“もう、松山さんについていくしかない!”と思って、あとはがむしゃらにやっていました。
結果、刀の柄は折れたし、音声のマイクも見えていて“これで大丈夫なのかな?”と思っていたけど、近くにいたムロさんがすごいニヤニヤした顔でこっちを見て“これが福田組ですよ”みたいなお顔をされていたので“これで正解だったんだ”と思えたんです。
あとは本番中でもスタッフのみなさんの笑い声が聞こえてくるんですよ。「それを聞ければOKなんだな」という安心感はありました」