「常に受け取る気持ちを持つこと、心に少しでも余裕を持っておくこと」の大切さ
現在出演している舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でも、その思考がいいサイクルになっている。
「演出家のエリックとムーブメント補のヌノは、何をしても否定せず、必ず肯定から入ってくれるんです。誰かが失敗しても“本番じゃなくてよかったね”、“これを経験したから次はうまくいくね”と、常に背中を押してくれます。そういう環境にいることで、マイナスではなくプラスで物事を捉えられるようになりました。ここ最近で一番大きな心の成長をさせてもらえました」
他者を、そして予測できない出来事を、ありのまま受け入れる姿勢。それは現在の彼女の日常の些細な幸せの見つけ方にも現れている。
「幸せは、自分ひとりで生み出すものというよりも、人から与えてもらうものだと思っています。誰かに何かをしてもらったり、支えてもらったり、誰かがつくった作品に触れて『いいものを見た』と感じられるのも、受け取る側としての自分がいるからこそ。だからこそ、常に受け取る気持ちを持つこと、心に少しでも余裕を持っておくことが大切なんだと思います。
心に余裕がないと、せっかくの出会いや作品にも心が動かなくなってしまう。幸せの感じ方は人それぞれ違うからこそ、周りに振り回されず、自分の軸で大切にしたいものを守りながら、自分の中にある小さな幸せを、少しずつ言葉や発信という形にしていけたらいいなと思っています」
松井さんは本書の中で、日常の中で感じたことを丁寧に、一つひとつ言葉にしている。あらためてエッセイの見どころについて聞いてみると、次のように語ってくれた。
「読んだ人それぞれの幸せ、自分が一番大切に思うもの、大切な記憶って何だろう。この本が、そんなことを考えてもらえるきっかけに少しでもなれば嬉しいです」
松井玲奈(まつい・れな)
1991年8月27日生まれ。愛知県出身。2008年に俳優として映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍している。主な出演作に、NHK連続テレビ小説『まんぷく』『エール』、ドラマ『プロミス・シンデレラ』(TBS系)、映画『よだかの片想い』などがある。現在、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にハーマイオニー・グレンジャー役で出演中。
また、2019年に初の短編小説集『カモフラージュ』(集英社)を出版。その後の著書に小説『累々』『カット・イン/カット・アウト』(ともに集英社)、エッセイ『ひみつのたべもの』(マガジンハウス)、『私だけの水槽』(朝日新聞出版)などがある。2026年1月30日に、初の全篇書き下ろしエッセイ集となる『ろうそくを吹き消す瞬間』(KADOKAWA)を刊行する。
▪︎ヘアメイク:菅井彩佳
▪︎スタイリスト:船橋翔大
▪︎衣装クレジット
ダブルリング¥30,800、シングルリング¥14,850(ともにリフレクション/THE PR tel:03-6803-8313)、その他スタイリスト私物
▪︎書籍情報
『ろうそくを吹き消す瞬間 』
著者:松井玲奈
発売日:2026年1月30日(金曜日)
予価:1760円(本体1600円+税10%)
