兄は演歌歌手の鳥羽一郎で、23歳のときに『函館本線』でデビューした山川豊。NHK紅白歌合戦に11回出場した実績を誇る彼は一昨年、肺がんであることを公表し、投薬治療しながら活躍している。そんな彼のTHE CHANGEとはーー。【第1回/全2回】
医者に言われたのは、2年前のことでした。「肺がんのステージIVで、脊髄にも転移しています。手術はできませんから、投薬で延命しましょう」と。
喫煙習慣はありましたけど、まったく症状がなかったので、目の前が本当に真っ暗になりました。狼狽して、実兄である演歌歌手の鳥羽一郎に電話で泣きつきました。
「自分の葬式ってどうするの」
「墓はどうなるのか」
もうダメだと思ってそんなことを情けない声で聞くと、「バカヤロー!」って一喝されました。そして、「まずは最善を尽くせ」と、目を覚まさせてもらったんです。それでセカンドオピニオンを求め、たどり着いたのが、「がん研有明病院」でした。
ここでゲノム (遺伝子) 検査をして、自分に合う治療薬を選別してくれたわけです。指先が妙にかゆくなったり、腕にあざができたり、口の中が塩味になったりっていう副作用はありますけど、でも、今日こうして取材を受けられるのも、徐々に回復しているからですよ。2年前は考えられませんでしたけど、今では、仕事で全国を回れますからね。
がんでも絶望することはない――そういう時代になってきたんだなって感じましたし、自分の悪い運命なんて「乗り越えて、ナンボ」と、気持ちは切り替わっていますよ。