映画『たしかにあった幻』で謎めいた青年・迅を演じる、寛一郎
映画『たしかにあった幻』は、日本の臓器移植医療の現実と、行方不明者問題をテーマにした人間ドラマだ。寛一郎さんが演じるのは、どこか影を感じさせる謎めいた青年・迅。フランスから来日した移植コーディネーターのコリー(ヴィッキー・クリープス)と恋に落ちるも、やがて姿を消してしまう。
監督(脚本・編集)は史上最年少で第50回カンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞した、商業デビュー映画『萌の朱雀』(97)から、世界的に評価され続ける河瀨直美。
「新鮮でした。今までやってきたことが通用するのかしないのかも、わからない感じで。なんだか、デビュー1年目みたいな感覚でしたね」
そう振り返る寛一郎さん。河瀨監督といえば、「リアリティ」を追求した作品作りで知られており、ドキュメンタリーとフィクションの境界を曖昧(あいまい)にする、「役積み」と呼ばれる独特の演出法を取る。
「“よーい、スタート”も“カット”もないままに、サッと始まるんです。役積みについても話には聞いていましたが、要はいかにその役と向き合うかということで、カメラの外でも、ふだんから役と同じように動くようにするんです。一種のメソッドで、日本において足りていない部分でもあると思います」