「軽いアクセルでも自動車って進むんだな」
コンクリートに囲まれた世界から離れ、自然に囲まれた場所で、畑を耕し、野菜や果実を収穫する生活を送っている。
「それまでは、この俳優の仕事以外で表現するものがなかったので一生懸命、俳優の仕事をやってきたんですけど、そこでいっぱいいっぱいの状況になってしまったんです」
――いっぱいいっぱいというと?
「車にたとえると、アクセルをずっと踏み込んでいると、エンジンオイルがなくなって、ガソリンもなくなってきて、そのうち故障しちゃう。それと同じで、自分の使い方をもう少し何とかしなきゃいけないと感じて、二拠点生活を始めたんです。実際に田舎に行って感じたのは、もっと自分という車体を活かす動き方だったり、考え方っていうのはあるんだなっていうこと。それって、その場に留まっていたら感じることが出来なかったものだったんです」
それからはもっと楽に自分が動くようになったという。
「軽いアクセルでも自動車って進むんだなってことがわかったというか。ギューンってアクセルを踏まなくても動くし、力の入れ加減には、かなりの遊びがあるということに、あらためて気づいたんです」
――アクセルを踏まなきゃいけないところは踏む、踏まなくても良いところは踏まない、と。
「そうです。それって単純なことですけど、そういうことがわかったんです。それと車の中にいろいろ詰め込む荷物についても、考えるようになりました。もっと整理できたんじゃないかとか、もっと身軽に出来たんじゃないかとか。そういうことを考えるようにもなりました」
――それは気持ちのうえでも余裕ができた、ということでしょうか。
「それもあります。俳優という以前の自分自身の視野次第で、捉え方って全然違うなっていうのは理解出来ましたし、もっと力を抜いても良いんだなっていう風に思うようになりましたね」