「時間をかけたものが必ずしも名作になるわけではないと思う」さまざまなグループで楽曲を手掛けるなかで
ロックオンとナリトマ、多くの楽曲を寺岡さんが手掛けている。
ロックオンは1stアルバム『1988』(2023)をリリースして以降、最新コラボレーションアルバム『THE SHOW MAN』(2025)まで、3年間に4枚のアルバムと2枚のミニアルバムをリリース。
ナリトマも、前身である成田商事時代のシングル『ボストンバッグ/社員募集中』(2022)以降、アルバムやミニアルバムを含め、コンスタントに作品を発表し続けている。
ここまでくると、「寺岡さんは何人いるのか?」と疑いたくなるほどの神業レベル。だが、「脳の老化防止のためにも、ずっと制作していたほうがいいんですよ(笑)」と、返ってくる言葉はあまりにも謙虚だ。
「この3年間で相当数の作品を作っていますから、人によっては多作だと思うでしょう。ですが、昔の日本映画……例えば、『男はつらいよ』シリーズは、正月とお盆の年2回公開されていましたよね。1年に2本も映画を撮っているのに、どれも名作です。つまり、時間をかけたものが必ずしも名作になるわけではないと思うんです。
変な例えですが、熱したフライパンに卵を落とした後、時間をかけすぎたら焦げ付いてしまいます。それと同じように、鮮度とかタイミングもすごく大事なんじゃないかと考えています」
昭和の歌謡界を支えてきた大作家たちは、驚くほど多作だったりする。鉄は熱いうちに打てではないが、適したタイミングで最良のアイデアやパフォーマンスをうまく引き出すことがプロデューサーの腕の見せどころなのだろう。