泣きそうになって稽古場の着替え室に「僕の様子を察したのか、肩をポンって叩いて、黙ってうなずいてくれて」

 一方の北川も、「こんなすごい形の中でやるっていうのもそうだし、しかもダブルキャストが林翔太くんという大先輩で、僕の中ですごくプレッシャー」と振り返り、続けて、重圧に悩む北川を救ってくれた、あるエピソードを明かしてくれた。

「翔太くんが立ち稽古に参加した初日、翔太くんがお芝居をイチからやったら本当に素晴らしくて。“もう僕じゃ無理だ”ってなるぐらい上手すぎて、こんなに素晴らしい方々の中でやるっていうのも結構プレッシャーだったから、その日は泣きそうになっちゃって、稽古場の着替え室みたいなところで、1人でワーっとなってたんです。
 そしたら石井さんが来て、僕の様子を察したのか、肩をポンって叩いて、黙ってうなずいてくれて。“お菓子とかあるから!”と言って気を遣ってくださって、すごく救われたというか、頑張ろうってなりました」

北川拓実 撮影/松野葉子

 さらに北川は、横浜アリーナ公演を行うなど人気を博した所属グループが昨年に11月に活動終了したことに言及し、今作への特別な思いを語った。

「僕個人としては、グループ活動が終了してから初めての、お客さんの前に立つステージということで、この作品というのはすごく大きな挑戦にもなっています。ジョヴァンニとしてこの作品の中で生きて、届けられるように駆け抜けたいと思います」

 北川にとって、グループ活動終了後の初ステージにして、公演中の2月28日に22歳の誕生日を迎える『ラパチーニの園』は、“CHANGE”の節目となる一作となることだろう。また、ひと足早い2月8日に36歳の誕生日を迎えた林にとっても、“後輩のお手本にならなくてはならない”プレッシャーの中での勝負の舞台になるに違いない。

林翔太(はやし・しょうた)
1990年2月8日、神奈川県生まれ。STARTO ENTERTAINMENT所属。2001年より活動を開始し、2018年に『ロジャース/ハート』で舞台初主演。以降、ミュージカル作品を中心に俳優として活躍し、近年の主な出演作に舞台『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』(19、23)、『WHERE'S CHARLEY? チャーリーはどこだ!』(24)、堂本光一主演・構成・演出の『Endless SHOCK』(24)、『CLUB SEVEN another place』(24)、『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』(26)などがある。

北川拓実(きたがわ・たくみ)
2004年2月28日生まれ、埼玉県出身。STARTO ENTERTAINMENT所属。2016年より活動を開始し、ジュニア内でも高い歌唱力で知られる。演技力にも定評があり、舞台『火の顔』(21)、『ドン・カルロス』(21)で主演を務めるなど俳優としても活躍中。近年の舞台作品に『君のクイズ』(25)、『チョコレート・アンダーグラウンド』(25)などがある。

■作品情報
ミュージカル『ラパチーニの園』
原作:ナサニエル・ホーソーン『ラパチーニの娘』
韓国版脚本・作詞:キム・スミン
作曲:イ・ダソム
翻訳:吉田衣里
上演台本・訳詞・演出: 高羽 彩(タカハ劇団)
音楽監督: 深澤恵梨香
出演:ジョヴァンニ/林翔太・北川拓実(Wキャスト)
ベアトリーチェ/宮澤佐江
リザベタ/珠城りょう
バリオーニ/石井一彰
ラパチーニ/別所哲也
公式サイト:https://rappaccini.jp/