芸人・板倉俊之の独特な世界観は多くの人から支持されている。お笑いコンビ・インパルスで極上のコントを生み出してきた才能は小説家としても花開き、小説デビュー作の『トリガー』は各方面から絶賛。6冊の作品を世に送り出した。開設した自身のYoutubeチャンネルも人気を博している板倉さんにとっての重要な変化「THE CHANGE」とはなんだったのだろうか?【第1回/全5回】

板倉俊之 撮影/片岡荘太

 お笑いコンビ・インパルスで「静と動、どちらか」と問われれば、多くの人が「静」と答えるかもしれない。大きい声でまくし立てるようにツッコミをいれる堤下さんに対し、板倉さんが静かにボケる画が目に浮かぶ。実際、この日も板倉さんは静かに、穏やかな表情で部屋に入ってきた。

 ところが、われわれが持参したビデオカメラを見ると、その目にグッと力が入る。「これ、いくらなんですか?」と興味深そうに質問を投げかけてきた。印象はガラリと変わり、「動」の側面が見えてくる。

 この「内なる静と動」は、板倉さんの話を聞くうちになんどか表れることになるのだが、まずはストレートに、ご自身が感じる「THE CHANGE」について聞いてみた。

「ハイエースを買ったことですね。インドアだった自分が、冒険に出られるようになったので」

 板倉さんは自身のYoutubeチャンネルでも度々ハイエースでの一人旅の様子を投稿。熱烈なファンもたくさんいるので、板倉さんといえばハイエースという印象を持っている方も多いのではないだろうか。

「2年半前に購入しました。ハイエースって勝手に大きいイメージを持ってたんですよね。だから、置き場所に困るんじゃないかって思っていたんですが、小さめのサイズのものなら実際はほとんどの駐車場に入るんです。“それなのに後ろでフルフラットで寝られるってすごい”、っていうことに気づいちゃったんですよね。