子供のころに思い描いた冒険の続きをしている

 遠出した帰り道って“渋滞にハマったら嫌だな”っていう気持ちがあるじゃないですか。でもハイエースだと、眠くなって危なそうだなと思ったら寝てから帰ればいいや、となる。なんといっても、車中泊にはロマンがあるんですよ。子供のころの“基地ごっこ”の延長をしているというか」

 子供のころに思い描いた冒険の続きをしている。板倉さんがハイエースでの旅に夢中になる理由がよく理解できる言葉だ。さらに、ハイエースを購入したことで板倉さんの生活にはさらなる新たな変化が訪れた。昔の自分では考えられなかったという「絶景を見に行く」という行動だ。

板倉俊之 撮影/片岡壮太

「それこそYouTubeとかで全国の絶景は見られるんですけど、やっぱり実際に自分で見に行きたいんですよね。それも自分で調べてコースを決めて、というのじゃないとダメなんです。

 仕事で行った先なんかですごい景色を見ても、自分の中では連れていかれて、いきなり綺麗な景色を見てるだけだから、そこまで感動しないんですよ。でも、調べてから行くと、これは自分の努力の結果として見れた絶景なので、テンションの上がり方が全然違いますね。

 自分的にはそういう良い景色とか、行ったところの記録を残しておきたくてYouTubeに動画を公開しているところもあるので、それを観て一緒に楽しんでくれる人がいるのはありがたいなと思います。

 自分が本当にやりたいことを動画にしているので、仕事感を感じないで見ていただけているのかな、とも思いますね」

 ハイエースという冒険の相棒は、板倉さんだけでなく、共有する人にも楽しみを与えるという「THE CHANGE」を生み出したのだ。

■プロフィール
板倉俊之(いたくらとしゆき)
1978年1月30日生、埼玉県志木市出身。NSC東京校4期生で、同期の堤下敦と98年にお笑いコンビ・インパルスを結成。『爆笑オンエアバトル』や『エンタの神様』など数々の番組で活躍すると、2001年から始まった伝説の番組『はねるのトびら』のメンバーとしてお茶の間の人気者となる。最近ではYoutubeでハイエースによる一人旅などの趣味を生かした、その名も「板倉 趣味チャンネル」を開設し多くのファンを獲得。また2009年には処女小説となる『トリガー』を上梓。現在までに小説6冊を世に送り出し、作家としても才能を発揮。23年8月に最新著作として自身初のエッセイ集『屋上とライフル』(飛鳥新社)を出版。