西麻布で「犬のガム」を噛む日々。とんねるず・石橋貴明らに見出された奇跡

 店の人が、「実は陸上の元日本チャンピオンなんだけど、毎晩ここでミルク飲んで、犬のガムでアゴを鍛えて、外でダッシュして体鍛えて地上最強の生物になるって言ってるんですよ」っていう紹介をしてくれて、そこからとんねるずさんの番組を担当していたディレクターで有名なマッコイ斉藤さんや制作会社の安西さんから「俺の番組ちょっと出ないか」と誘われるようになりました。テレビのバラエティに出るきっかけをつかみ出したのがその頃でしたね。

 その後、タレントとして初めて出演した『うもれびと』(フジテレビ系)で“百獣の王”が大反響、そこからはもう、携帯が鳴りっぱなしで、3か月後には『笑っていいとも!』(同)のレギュラーになっていました。

 今思うと、不思議な縁なんですよ。兄が亡くなる1か月くらい前、最後に一緒に出かけたのが映画館だったんです。「何かしたいことないか?」と聞いたら「映画が見たい」って言うんで。そこで見た映画が、タカさんも出演していた『メジャーリーグ2』だったんです。

 映画を見ているときの兄は、本当にキラキラ笑ってて。帰り道に「楽しかった。俺も絶対、ああいう映画出たいんだ。病気治ったら頑張るわ」と言っていました。もう、そのとき涙が止まらなくて……。子どもだけで生き抜いて、やっとこれから二人でやってきた道が交わりそうなところで、どうして命を奪うんだろうと……人生に対するやるせなさというか、無念さ、俺だけこんな元気でやってていいのかみたいな気持ちになって、気力を失った時期があった。