理知的な魅力を飄々(ひょうひょう)とした空気で包み込む、佐々木蔵之介。同時に、舞台で培った強靭な肉体性も感じさせる佐々木さんは、主役としても最強のバイプレイヤーとしても、映画・ドラマ・舞台と、縦横無尽に駆ける。主演最新映画は、医療時代劇『幕末ヒポクラテスたち』だ。50代後半を迎え、ますます脂が乗る俳優・佐々木さんのTHE CHANGEとは──。【第3回/全5回】

佐々木蔵之介 撮影/冨田望 スタイリング/勝見宜人(Koa Hole inc.) ヘアメイク/西岡達也(ラインヴァント)

 医療時代劇『幕末ヒポクラテスたち』で、長崎で西洋医学を学んだ京都の蘭方医・大倉太吉役を演じ、主演を務めている佐々木さん。貧富や立場に関係なく、人々を救おうとする医師たちの姿が、太吉のキャラクターもあって、軽やかに描かれていくのだが、後半、感染症がまん延するシーンには、かなりの緊迫感と、胸を締め付けられる苦しさがある。

──広がる感染症を前に、必死に戦う太吉たちと、未知の病気にパニックになってしまう村人たちの姿に、コロナ禍を経験したいまだからこそ響くものがありました。

「みんなが経験していることですもんね。実際に自分の身内に会えなかったり、お葬式もできなかった方々がいるし、そういったことがあったから、みんなが身をもって感染症のように見えないものの怖さがよくわかるんだと思います」