「記憶がすごく曖昧」タイムリープのリアルを描く本作の魅力
“タイムリープ”、“転生”というSFファンタジーのジャンルでありながらも、刑事ものでもあるというこの作品。しかし、物語の主軸となるタイムリープ先が10年前であり、それほど昔ではないということが新鮮である。
「10年前ってすごい昔のように思えて、実はそんなに昔でもない。にもかかわらず、10年前のことって記憶がすごく曖昧じゃないですか? 皆さんもそうだと思うのですが、劇中の誠もまさにそんな感じなんです。『これってなんだったっけ?』、『誰だったかな?』みたいに記憶が曖昧な様子が、生々しくてリアルじゃないかと思います」
お芝居については、“タイムリープ”というSFファンタジーゆえの難しさがあったと濱田は話す。
「タイムリープものの宿命だと思うのですが、過去と未来、それぞれのキャラクターの整合性を保つことがとても難しくて。それに、『もし10年前に戻れたら何をするか』という話になると『宝くじを買う』とかよく出てくるアイデアだと思うんですけど、実のところいざ10年前に戻れたとしても、当選番号なんて全然覚えていないわけで(笑)。だからこの作品で誠がもがいているように、もし未来から過去に戻れたとしても、その利点を上手く使えないほうがリアルなんじゃないかなと」
「10年前の出来事の細部を覚えていない」というリアリティに直面した誠が試行錯誤する姿を通して、観ている人たちも2016年をもう一度振り返り、楽しむことができるのではないかと感じる今作。濱田に誠を演じる上で、大切にしていることについても聞いてみた。
「例えば、10年前にタイムリープして石井杏奈さんが演じる恋人・美咲ちゃんに会えた時、誠は恋人関係であるかのように話しかけてしまうのですが、タイムリープした時点ではまだ関係性ができていない時期なので気をつけないといけないんですよね。そういった部分は大変ですが、やりがいがあるなと感じています。目的があるとはいえ、人生2回目をやるってとても大変だし、嫌なことだと思うんです。そんな状況を受け入れながら、もう一度戦ってもがいている男の人をリアルに演じていけたらと思っています」