小島よしおは2007年、「そんなの関係ねぇ!」、「おっぱっぴー」などのギャグで大ブレイクをはたし、その2つのギャグは『ユーキャン新語・流行語大賞2007』の大賞候補60語に両方ノミネートされ、そのうち「そんなの関係ねぇ!」がトップ10を受賞するという芸人としての金字塔を打ち立てた。その後も2016年のR-1グランプリで準優勝し、2020年に開設したYouTubeチャンネル『おっぱっぴー小学校』が大反響を呼ぶなどの活躍を続けている。
そんな彼が出会い、生き方が変わることとなった変化「THE CHANGE」とはいったいなんだったのだろうか。
【第3回/全5回】

小島よしお 撮影/片岡壮太

 小島さんの芸歴は2001年から始まる。早稲田大学の一年生のとき、当時所属していたお笑いサークルのメンバー5人でコントグループ・WAGE(ワゲ)を結成。とあるお笑いコンテストで入賞したことをきっかけに、大手芸能事務所アミューズに入ることになった。これは他の芸人と比べてもかなり順風満帆なスタートを切ったといえるのではないだろうか。

「WAGEでは単独ライブをいっぱいやっていましたし、テレビにも出始めていたので、大学を辞めようかな、と親に相談したこともありました。大学を中退している芸人さんに憧れたんですよね。結構いるじゃないですか、ビートたけしさんとかタモリさんとか。すぐ影響されちゃうんですよね。

 そうしたら、お母さんと、当時好きだった女の子にすごい反対されたんですよね。それで、じゃあ辞めずにいようかってなったんですけど、いまでは大学卒ということでクイズ番組に呼んでもらったりしてるので、あのとき大学を辞めなくて本当によかったですよ」

 お母さんと好きな女の子に止められて、というところが実に愛くるしいが、大学を卒業したことはその後おおいに小島さんを助けることになったのだから、2人の説得は金言だったと言えるのではないだろうか。しかし、そんな大学生活が終わり卒業するタイミングで、小島さんに大きな転機がやって来る。

「事務所と契約が切れるタイミングでWAGEを解散することになったんです。それがちょうど大学卒業のタイミングと重なったので、即フリーターのようになってしまって。

 その後しばらくは芸人の先輩に飲みに連れていってもらったり遊んでたりしていたんですが、ある日WAGEのメンバーだったかもめんたるの槙尾が、今ぼくが所属しているサンミュージックのマネージャーに偶然街で声をかけられたんですよ。

 WAGEは一応関東のほうではわりと有名だったんで、“うちに来たい人は話聞くよ”って言っていただいたらしく、槙尾からWAGEのみんなに連絡が来たんですよね。その時遊んでもらっていたお笑いコンビ・さくらんぼブービーの木村さんもサンミュージック所属だったんで、木村さんからも事務所の方に僕を推薦してくださったりして。

 ただ、事務所に所属する前にネタ見せがあったんですけど、事前に木村さんや、同じように遊んでもらっていたお笑いコンビ・東京ダイナマイトの松田さんにネタを見せたら、“これはやばい、入れないかも”ってなったんです(笑)。
 そうしたら先輩たちが“ちょっと俺らでネタ作るよ”って急遽即席でネタを作ってくださったんです。そのネタのおかげで無事合格して事務所に入れました。いや、危なかったですね」