2011年に女優としてデビュー以来、数多くの映画やドラマに出演し若手演技派女優の地位を確固たるものとしている門脇麦。NHKの連続テレビ小説『まれ』(15年)、大河ドラマ麒麟がくる』(20年)での演技でも大きな注目を集めた。女優人生の中で訪れた「CHANGE」について語ってもらった。【第4回/全5回】

門脇麦 撮影/松野葉子

 凛とした瞳で質問に答える門脇さん。そのまっすぐな瞳に吸い込まれそうになる。最新作の映画『ほつれる』では、綿子という主人公をリアリティある演技で演じているが、「最近は釣りに行く時が楽しい」と語ってくれた。釣りとの出会いによって人生の楽しみが増えたという。

釣った魚を食べる楽しみ

 映画やドラマの撮影で多忙な中、門脇さんが一番最近釣りにいったのはいつだろうか。

「2日前に沼津までタチウオを釣りに行きました。大量に釣れたのですが釣った魚は必ず食べています。タチウオは、お刺身と炙りと塩焼きにして全部おいしくいただきました」

 門脇さんがそこまで魅了する釣りの魅力とはどういう部分なのだろう。それまでの人生を一変させる釣り。どのような気持ちなのだろうか。

「色々な楽しみ方があると思うのですが、私はいっぱい釣りたいという感覚で釣りをしているのではなく、美味しい魚を食べたいから釣りをしているんです。だから食べきれない分まで釣ったりはしないですね。とにかく命を大切にしたい、命をいただくという気持ちで釣りをしています」

 魚が釣れるまでの時間を楽しむのが釣りのだいご味でもあるが、門脇さんの釣りの楽しみ方はどこにあるのだろうか。

「本当は、釣れるまで待っている時間は苦手なんです。釣ったらすぐ食べたいなって(笑)。でも待った分、美味しいんですよね。釣りたての新鮮な魚を食べている時間が至福です。私にとって釣りは癒される時間ではなくて、サバイバルをしに行っている感じです」