ダリオ・アルジェントからの影響

――アメリカには、アーミッシュの人々がいますね。アメリカへ移民した当時の生活様式を守るために電子機器はいっさい使わず、自給自足の生活を送っています。

「そういうイメージもありますね。特に現代の暮らし方じゃない暮らし方を望んだ人たちというか。いま、現代でそれを生活で実践するのは難しい。人というものは本当にいい人、完全に悪い人と単純に分けられるわけじゃないから、そういうところを考えて離れがたいんだな、とか」

 吉本さんに影響を受けた作家について質問すると「やっぱりダリオ・アルジェントからの影響がすごく強くて。イタリアのホラーの監督なんですけど、色彩とか、あと夢……悪夢を映像に変えたという初めての人だと思っていて」と、即答した。

 ダリオ・アルジェントは現在82歳の映画監督で、1977年『サスペリア』や85年『フェノミナ』が特に有名な作品だ。鮮烈な色彩が印象的な画面と、痛々しい殺人描写などで、世界のホラーファンをうならせている。

「私も話にあらすじは関係ないタイプなので、すごい気が合う。ある種の人にはすごいズバーンと通じるものを持っているなっていうところで、アルジェントが好きですね。最近サブスクに突然上がってきた『デモンズ』を見たんですが、“やっぱりすごい、自分もこういうことがしたい”とか思っています」