最高に面白かったのは『凪咲とザコシ』
X(旧ツイッター)、インスタグラム、noteなど最新のツールを使いこなす吉本さんが、若い読者の心をつかむのは当然のことなのかもしれない。そんな吉本さんは、2018年に『家事ヤロウ!!!』(テレビ朝日系)に出演したことも。
「『家事ヤロウ!!!』は深夜のときがすごい好きだったんですよ。今はちょっと時間が合わなくて見られてないんですけど…なんか、ダーってチャンネルを流したらついてるみたいな感じでよく見てたんです」
――最近見て面白かったテレビ番組はありますか?
「最高に面白かったのは『凪咲とザコシ』(テレビ朝日系)という番組だったんですけど、終わっちゃって。渋谷凪咲さんとハリウッドザコシショウさんのふたりだけで出ていて、番組の構成がもう自由だったので……。でもやっぱ終わっちゃいましたね。すごすぎて。時代を超えすぎてました。
あとはもう絶対に『ゴッドタン』(テレビ東京系)を見てます。たけうちほのかさんとか、すごいなと思って注目してます。やっぱり手があくのが深夜だから、それまではテレビを見るどころではなくて。
だいたいいつも、松ちゃん(ダウンタウンの松本人志)を見たら寝てしまう。よる10時~11時くらいのダウンタウンの時間でなんかうたた寝してしまうので、今は条件反射的に松ちゃんを見ただけで眠くなってきちゃってすごい残念です。見たいのに(笑)」
多忙な毎日を送るなか、「おもしろいテレビ番組」のアンテナも張る。穏やかだが、たしかにエネルギッシュな吉本さんからは、読者の心をゆさぶる作品を書く理由が伝わってきた。
吉本ばなな(よしもとばなな)
1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『はーばーらいと』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。