肉体系芸人のルーツは意外な愛読書

「去年は金沢マラソンにも参加させてもらいました。番組でうかがっていたので、中継しながら走っていって、スポットスポットで全部止まっていくんですよ。合唱部がいたら指揮者をやったり、お祭りの太鼓のグループがいたら踊ったりとかしながら。

 そうやって時々止まりながら走ったので、タイムも結局5時間かかりましたし、最後まで声援に応えながらだったので普通に走るよりは体力使いますけど、フルマラソンを走り切ったので、大町アルプスマラソンのリベンジはできたかなって思ってます。ちなみに金沢マラソンには今年も呼んでもらっているので楽しみですね」

 フルマラソンの途中途中で芸人としての仕事もこなしつつ完走する、という時点ですでに超人的だと思うが、そんな偉業をひょうひょうと話すところにもまた凄みを感じてしまう。

 そんな「肉体系芸人」の小島さんだが、読書によって知識を深めていく欲求も強いようで、自分の好きな本についても話してくれた。

「すごく影響を受けたものとしては経営者についての本ですかね。京セラの創業者の稲森和夫さんについての本や、作家の伊集院静さんがサントリーの創業者である鳥居新次郎について書いた『琥珀の夢』なんかが大好きなんですよね」

 意外とも思えるそのチョイスだが、実はこの読書傾向はやはり小島さんの「肉体系芸人」としてのルーツに由来していく。

「そういう本を好きになったのは、人間学を学ぶ月刊誌の『致知』を読むようになったからなんですよね。実をいうと『致知』は高校時代の野球部のコーチにすすめられて読みはじめたんですよ。

 経営者なり、研究者なり、何かを成し遂げた人から学ぶ、というコンセプトの雑誌なんですけど、“ピンチになったときにこういうことをしたらV字回復できた”といった事例をたくさん知ることができる雑誌で、すごく好きだったんですよね」

 カラダを鍛え上げることで「肉体系芸人」としての地位を確立し、読書を通じて困難を克服する知恵を授かった小島さん。肉体と頭脳を両方磨いていくこの情熱こそが、新しい魅力を世に発信していくための変化「THE CHANGE」を生み出しているのかもしれない。

■プロフィール
小島よしお(こじま よしお)1980年11月16日、沖縄県島尻郡久米島町で生まれ、その後千葉県千葉市稲毛区で育つ。早稲田大学教育学部国語国文学科に入学すると、お笑いサークルに入り、のちのキングオブコント王者・かもめんたるらとコントグループ「WAGE」を結成し活動。2006年からピン芸人になると、翌年「そんなの関係ねぇ!」、「おっぱっぴー」などのギャグで大ブレイク。現在は、自身の身体能力を生かしたスポーツ系の仕事や、コメンテーター、教育系YouTuberとしても活躍の場を広げている。

『小島よしおのボクといっしょに考えよう』
AERA dot.で連載中の子どものお悩み相談が待望の書籍化。子どもと同じ目線で寄り添う、小島よしおさんの優しく温かい回答が話題を呼び、ツイッターで関連ワードがトレンド入りも果たす。読むと心が温かくなる一冊。全文ルビつきで、子どもも大人も読める。
小島 よしお 著
定価:1540円(税込)
発売日:2023年9月7日