『M-1』で通用しなかったことでの変化のほうが身にしみました
この年のチャンピオンはブラックマヨネーズ。彼らは『オンバト』では8回挑戦してオンエアは2回と、さしたる成績を残していない。同年2位であり、『M-1』2年目から衝撃を残し続けてきた笑い飯も4回の挑戦でオンエアはわずか1度のみ。両番組のカラーの違いが如実に出たような結果となった(ただし3位の麒麟は『オンバト』常連だった)。
山本「我々は『オンバト』を背負って『M-1』に出てたところがちょっとあったんですよ。独自の文化を築いている『M-1』に、『オンバト』で調子の良かったコンビがいってみたら、準決勝ではウケたけど決勝ではまったく通用しなかった。それで関東の同世代の漫才師が“タイムマシーンでもダメだったのか”“じゃあ俺たちどうしよう”ってザワザワした気はします」
関「同世代では決勝一番乗りくらいだったからね。『オンバト』で満点とったことでの変化より、『M-1』で通用しなかったことでの変化のほうが身にしみました」
なお、『オンバト』を背負って乗り込んだ『M-1』の洗礼は、決勝が終わった後もひそかに続いていた。
山本「毎年『M-1』の後に、その年の決勝進出者たちで全国を回るライブツアーがあるんですよね。30箇所くらい回るんですけど、あれは本当にしんどかった……! 関西の面白い人たちがたくさん集まってて、もう居づらくて居づらくて。憂鬱でしょうがなかったです」
関「東京が俺ら1組だけでなぁ。みんなギラついてましたし、絶対俺たちのことを認めるような人たちじゃないだろうって勝手に思い込んで怯えてましたね」